これは、デンプンが唾液中の消化酵素(アミラーゼ)によって、デキストリンや麦芽糖(マルトース)などに分解されていくためです。
同じように、トウモロコシやバレイショ、カンショ、タピオカなどから得られるデンプンを酸や酵素で分解すると、デキストリンや麦芽糖(マルトース)、ブドウ糖(グルコース)を含む水飴が得られます。これを還元(水素を付加)することで、還元水飴が得られます。
デンプン
↓(酸や酵素で分解)
デキストリンや麦芽糖(マルトース)、ブドウ糖(グルコース)を含む水飴
↓(還元)
オリゴ糖アルコールや還元麦芽糖(マルチトール)、ソルビトールなどを含む還元水飴
還元水飴は一般的に、還元麦芽糖(マルチトール)が75%未満及びソルビトールを50%未満含む糖アルコールで、その他3糖、4糖以上の糖アルコールを含んでいます。
糖アルコールの含有組成によって大きく性質が異なるため、甘味度は砂糖に比べて10~60%程度と幅広く、砂糖に近い甘味質が特長です。
還元水飴を構成する各種の糖アルコールは小腸でほとんど消化・吸収されないため砂糖に比べカロリーが低く、およそ2/3(100g当たり230~340kcal)です。血糖値やインスリン上昇も緩やかなため、糖尿病患者さんの砂糖代替食品として使用されることもあります。
また、虫歯菌や乳酸菌が利用できないため酸がつくられることが無く、虫歯の原因となりません。
酸や熱に安定で着色なども起こらないため、調理や加工に向いており、現在ではさまざまなダイエットシュガーやダイエット食品に使用されています。
還元水飴を主体とした甘味料には、以下のようなものがあります。
・マービー
・シュガーカットS
まとめ
還元水飴とは、還元麦芽糖(マルチトール)が75%未満及びソルビトールを50%未満含む糖アルコール
特長としては
- 砂糖に似た甘さで、甘味度は10~60%
- カロリーは砂糖の約2/3
- 血糖値やインスリンの上昇が緩やか
- 虫歯の原因にならない